唐揚げ

ザンギという食べ物がある。これは私の地元北海道の食べ物で、、、ではないよ。ただの北海道弁である。北海道弁で鶏の唐揚げのことをザンギと呼んでいた。

呼んでいた、と過去形なのはどうもここ30年ほどで言葉の意味が変わってしまっているらしいからだ。

TwitterというかXにて、ザンギと唐揚げは別のものなのに一緒にしている奴らがいて腹立たしい、という道民のポストを見つけた。ザンギは醤油や生姜、ニンニクなどが入ったタレにつけ込み、衣を漬けて鶏肉を揚げたもの、だと彼は言う。おう、、、それ、、、唐揚げじゃん。と普通は思うよね。

彼曰く唐揚げは下味をつけておらず、衣にも味がついていない、一緒にするな!と。いやー、、、下味はね、、どの唐揚げにも何かしらついてるよね。薄味なのはあるけど。

ある人はこう言っていた。ザンギにはタレをかけるから、唐揚げとは違う、と。おや?先ほどの彼とは違うことを言っているぞ?

私が北海道を出る前、もう30年ほど昔の話。ザンギとは鶏の唐揚げを総称した北海道弁であった。味が濃いものも、薄いものも、タレがかかったもの、、、は見たことがないけれど、全てザンギだった。元道民の友人たちに聞いても同じ意見だ。そもそも地元の居酒屋でザンギを頼むと鶏の唐揚げが出てくる。どの居酒屋でも出てくるのは鶏の唐揚げである。多少味が濃い確率が多いかもしれんが、その程度だ。

はて、それなら何故ザンギと唐揚げは違うと怒り出す人たちがいるのか。

話は若干逸れるけれども、、、北海道弁を説明するアカウントが過去に存在した。元道民としては懐かしく、そして知らない言葉もあったりと楽しんでいた。しかしそのアカウントに文句を言う人が結構いた。それは北海道弁じゃない!標準語だ!他の地域でも使う!などなど。

いやいや、ゴリゴリの北海道弁ですよね、と思って見ていたけど、彼らは認められないようだった。

そして彼らは、、ザンギと唐揚げは違う!と言っていた。

恐らく世の中にB級グルメというものが出てきた時に、ザンギは唐揚げとは違うということにした人たちが存在したのだと思う。ザンギをご当地グルメということにして売り出そう、とね。それを見てザンギと唐揚げは別だ!と思い込んでしまった人たちが北海道に存在するんだろう。

で、多分その人たちは北海道から出たことがない。出たことがないから、彼らがいうところのザンギが全国各地で普通に存在していることを知らない。

自分たちが話している言葉は日常的に使われているから、方言だとは思わない。

そう思い込んですでに半世紀くらい経っているのだろう、もう認められない。なんとなくコンプレックスもあるのだと思う。地元をバカにされた気分になるのかもしれない。方言って素敵なのにね。

北海道弁で好きな言葉に、うるかす、というものがある。お米などを水に浸しておいてね、と言う意味である。超便利である。その食器うるかしといて!あとで洗うから!的な。お水に漬けといて!よりもいいよね。押ささる、という言葉はあまり好きではない。エレベーターのボタン押ささっちゃった!みたいな。いや、お前押したろ!と。自分の意思ではない何かしら第三者の力が働いている!みたいな言い方すんなよ、と思う。ともかく、方言は面白い。

ザンギは鶏の唐揚げのことを指す北海道弁である、でいいじゃん。







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